第199章 橘結衣を娶るのは、どうだ?

同じ時刻、同じ場所で、あの夫婦は彼女を捨てた。そして運よく、師匠に拾われた。

――それが、橘結衣が信じてきた自分の身の上だった。

橘家もその線まで調べ上げたからこそ、当時病院で取り違えられた子と彼女を結びつけたのだ。

「え、ちょっと待って。橘家って心デカすぎない? 見つけたならDNA鑑定くらいしないの?」

田中未菜は目を丸くした。

金持ちのやることって、こんなに雑なのか。

橘結衣は鼻で笑う。

「もしかして、そもそも興味がないからじゃない? だから鑑定する手間すら惜しい」

臨山町まで調べに行ったのも、迎えに来たのも、橘国政が手配した部下だった。

橘国政にとっては、わざわざ自分...

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